エアロプレスのレシピ集|スペシャルティコーヒーを浸漬式×加圧で最高に淹れる方法

エアロプレスのレシピ集|スペシャルティコーヒーを浸漬式×加圧で最高に淹れる方法

コンパクトな見た目からは想像できない、驚くほど多彩な表現力。エアロプレスは2005年に発明されて以来、世界中のコーヒー愛好家やバリスタに愛用されている抽出器具です。
浸漬式と加圧という二つの要素を組み合わせたこの器具が、スペシャルティコーヒーの味わいを別次元に引き上げてくれます。

エアロプレスとスペシャルティコーヒーの相性が良い理由

エアロプレスの最大の特徴は、浸漬式の穏やかな抽出と、プランジャーで加圧するプレス抽出のハイブリッドであること。この組み合わせが、スペシャルティコーヒーにとって理想的な環境を生み出します。

浸漬式の工程では、コーヒー粉がお湯に浸かった状態で均一に成分が溶け出す。過抽出のリスクが低く、豆本来のフレーバーをバランスよく引き出せます。そしてプレスの瞬間、適度な圧力が微細な油分やコロイド状の成分をフィルターを通して抽出。ドリップでは得られない濃厚さと、ペーパーフィルターによるクリーンさが両立するのです。

つまり、クリーンでありながら、しっかりとしたボディ感。この一見矛盾する二つの要素を実現できるのが、エアロプレスの真骨頂。NOVOLD COFFEE ROASTERSのLoring S35 Kestrelで焙煎されたクリーンな味わいの豆も、1971年製Probat UG22nで焙煎された重厚な甘みの豆も、それぞれの個性をピュアに表現してくれます。

まずはここから。エアロプレスの基本レシピ

エアロプレスの魅力は、変数を調整することで味を自在にコントロールできること。まずは基本レシピをマスターし、そこから自分好みに調整していきましょう。

基本レシピ

コーヒー豆:14g / 挽き具合:中挽き〜やや細め / お湯:200ml / 湯温:88℃ / 浸漬時間:1分30秒 / プレス時間:約30秒

手順

エアロプレスにペーパーフィルターをセットし、お湯で濡らしておきます。中挽き〜やや細めに挽いた粉14gを投入し、88℃のお湯を200ml注ぎます。軽くかき混ぜた後、プランジャーを軽く差し込んで蓋をし、1分30秒待機。時間が来たら、ゆっくりと均一な圧力でプレス。約30秒かけて押し切ります。

プレスはゆっくり一定の力で行うのがコツです。強く押しすぎると雑味が出やすく、弱すぎると抽出不足に感じる場合があります。「シューッ」という音が聞こえ始めたらストップのサイン。最後まで押し切らず、空気が出始める直前で止めるのがクリーンな味わいのコツです。

銘柄別カスタムレシピ

基本レシピを土台に、NOVOLD COFFEE ROASTERSの各銘柄に合わせた調整を加えることで、それぞれの個性を最大限に引き出せます。

エチオピア アリーチャ村 ナチュラル — フローラル重視

豆:14g / 挽き具合:やや粗め / 湯温:85〜87℃ / 湯量:200ml / 浸漬時間:1分45秒

ブルーベリーやラズベリーの果実感と、ジャスミンのフローラル香を際立たせるために、湯温をやや低めに設定。粗めの挽き具合で過抽出を防ぎ、鮮やかな酸味と華やかさをクリーンに引き出します。エチオピア原種の複雑なフレーバーが、エアロプレスの濃厚さの中で繊細に表現される。ホットでもアイスでも魅力が際立つ一杯です。

インドネシア マンデリン エスペシャル — コク重視

豆:16g / 挽き具合:やや細め / 湯温:92〜94℃ / 湯量:200ml / 浸漬時間:1分15秒

マンデリンの重厚なフルボディとアーシーな風味を最大限に引き出すため、豆量を増やし湯温を高めに。やや細めの挽き具合がダークチョコレートやブラウンシュガーの甘味を強調し、クローブやナツメグのスパイシーな余韻が長く続きます。エアロプレスの加圧が生み出す濃厚さが、マンデリンの存在感をさらに際立たせてくれるでしょう。

コスタリカ グラナディージャ農園 — バランス重視

豆:14g / 挽き具合:中挽き / 湯温:88〜90℃ / 湯量:200ml / 浸漬時間:1分30秒

イエローハニー精製によるハチミツのような甘味と、レモンやトロピカルフルーツの明るい酸味。基本レシピに近い設定で、このバランスの良さをそのまま表現します。カップ・オブ・エクセレンス優勝ミルが育てた品質を、エアロプレスのクリーンさで堪能できる銘柄です。

ブラジル 山口農園 — ナッツ感重視

豆:15g / 挽き具合:中挽き〜やや細め / 湯温:90℃ / 湯量:200ml / 浸漬時間:1分30秒

アーモンドやヘーゼルナッツのナッツ感と、ミルクチョコレートの甘さが調和するブラジルの王道。やや多めの豆量と中挽きの設定で、キャラメルやブラウンシュガーの柔らかい甘味をしっかり引き出します。

グアテマラ エルインヘルト農園 — 果実感と気品の両立

豆:14g / 挽き具合:中挽き / 湯温:88℃ / 湯量:200ml / 浸漬時間:1分30秒

ストロベリーのような果実感と気品あるアロマが特徴の名門農園。基本レシピの設定で、ウォッシュド精製のクリーンさとエアロプレスの濃厚さが見事に調和します。

インバート法(逆さま法)で安定抽出

エアロプレスの通常の使い方では、お湯を注いだ瞬間から液体がフィルターを通過して落ち始めます。これだと浸漬時間を正確にコントロールしにくいという声も。そこで生まれたのが「インバート法」——エアロプレスを逆さまにして使う方法です。

インバート法の手順

プランジャーを本体に少し差し込んだ状態で逆さまに立てます。つまり、プランジャーが下、フィルター側が上。この状態で粉を入れ、お湯を注ぎ、所定の時間浸漬します。時間が来たらフィルターキャップを取り付け、ひっくり返してカップの上にセットし、プレス。

この方法の最大のメリットは、浸漬中にお湯が落ちないこと。粉がお湯に完全に浸かった状態を維持できるため、抽出の再現性が格段に上がります。毎回同じ味を安定して出したい方にはおすすめの方法。

ただし、ひっくり返す際にこぼすリスクがあるので、最初は少なめのお湯で練習してみてください。慣れてしまえばスムーズに行えるようになります。

NCRの豆 × エアロプレスで最高の一杯を

NOVOLD COFFEE ROASTERSは、1932年創業の老舗が持つ伝統と、最新鋭の焙煎技術を融合させたロースタリー。1971年製のProbat UG22nが生む重厚な甘みと、四国唯一のLoring S35 Kestrelが引き出すクリーンな産地個性。この「焙煎の二刀流」で仕上げられた6銘柄は、エアロプレスという器具の多彩な表現力と出会うことで、さらに新しい味わいを見せてくれます。

コーヒーインストラクター1級、アドバンスドコーヒーマイスターの資格を持つ三代目が手がける豆を、自分だけのレシピで淹れる。それは、プロの焙煎と自分の手仕事がつながる瞬間でもあります。工場直送の新鮮な豆で、エアロプレスの可能性をぜひ探ってみてください。

よくある質問

Q.  エアロプレスの金属フィルターと紙フィルターで味はどう違いますか?

紙フィルターは微粉や油分をしっかり吸着するため、クリーンで透明感のある味わいに。一方、金属フィルターは油分や微粉がカップに残るため、ボディ感があり、コクのある仕上がりになります。エチオピアやコスタリカのような繊細なフレーバーを楽しみたいなら紙フィルター、マンデリンやブラジルのコクを活かしたいなら金属フィルターがおすすめ。両方試して、銘柄ごとに使い分けるのも面白い楽しみ方です。

Q.  エアロプレスは持ち運びにも向いていますか?

エアロプレスの大きな魅力の一つが、携帯性の高さ。プラスチック製で軽量、分解すればコンパクトに収納できるため、旅行やキャンプ、オフィスなど場所を選ばず使えます。お湯さえ確保できれば、どこでもスペシャルティコーヒーが楽しめるのは贅沢なこと。NOVOLD COFFEE ROASTERSの豆を旅先に持っていけば、いつもの一杯が非日常の空間で特別な体験に変わるはずです。