アイスコーヒーに合う豆の選び方|急冷式と水出しにおすすめの銘柄を紹介

アイスコーヒーに合う豆の選び方|急冷式と水出しにおすすめの銘柄を紹介

暑い季節になると恋しくなるアイスコーヒー。しかし、「アイスコーヒーには深煎り」という固定観念にとらわれていないでしょうか。実は、淹れ方によって最適な豆は大きく異なります。急冷式と水出し——この2つの淹れ方を知ることで、アイスコーヒーの楽しみ方はぐっと広がります。

アイスコーヒーの2つの流派 — 急冷 vs 水出し

急冷式(ホット抽出→氷で急冷)

通常よりも濃いめにドリップしたホットコーヒーを、大量の氷で一気に冷やす方法。高温で抽出するため、豆の持つ酸味やフルーティーなフレーバーがシャープに残ります。急速に冷却されることで風味が閉じ込められ、キレのよいクリアな味わいに。抽出から完成まで数分と、手軽さも魅力です。

水出し(コールドブリュー)

常温または冷水で8〜12時間かけてゆっくり抽出する方法。低温抽出のため苦味やえぐみの成分が溶け出しにくく、まろやかで甘みのある味わいが特徴。口当たりが滑らかで、コーヒーが苦手な方にも飲みやすい仕上がりになります。時間はかかりますが、仕込んで冷蔵庫に入れておくだけなので、手間はほとんどかかりません。

二つの方法でこれだけ味が異なるのですから、豆選びも当然変わってきます。それぞれの抽出法が引き出す味の傾向に合わせて、最適な銘柄を選びましょう。

急冷式に合う豆 — 鮮やかな酸味と果実感が映える

エチオピア アリーチャ ナチュラル 豆P large

急冷式は高温抽出のフレーバーをそのまま冷やして閉じ込める方法。つまり、ホットで淹れたときの個性がダイレクトに反映されます。酸味や果実感が鮮やかな豆を選べば、冷たさの中でフレーバーがくっきりと浮かび上がる、刺激的な一杯に。

NOVOLD COFFEE ROASTERSの銘柄で最もおすすめなのが、エチオピア アリーチャ村 ナチュラル。イルガチェフェ郡アリーチャ村の標高1,800〜2,200mで育ったエチオピア原種を、アフリカンベッドで乾燥させたナチュラル精製の豆です。

ブルーベリーやラズベリーを思わせる赤系果実のフルーティー感と、ジャスミンやオレンジブロッサムのような華やかなフローラル香が特徴。これを急冷式で淹れると、冷たさがフレーバーの輪郭をさらにシャープにし、果実感が弾けるような一杯に。ナチュラルプロセス由来のハチミツに似た濃厚な甘味が後口に心地よく残り、氷が溶けるにつれて表情が変わっていくのも楽しみの一つです。

コスタリカ グラナディージャ農園も、急冷式との相性が良好。イエローハニー精製によるハチミツのような甘味と、レモンやトロピカルフルーツの明るい酸味が、冷やすことでよりいっそう際立ちます。

水出しに合う豆 — 甘みと滑らかさが際立つ

ブラジル 山口農園 豆P large

水出しは低温でゆっくり抽出するため、酸味や華やかなフレーバーよりも甘味とまろやかさが前面に出る傾向があります。ナッツやチョコレート系の風味を持つ豆を選ぶと、水出しならではの滑らかな口当たりと重なって、とろけるような一杯に。

水出しに特におすすめなのが、ブラジル 山口農園。ミナスジェライス州セラード地域で栽培されたブルボン種のナチュラル精製豆で、アーモンドやヘーゼルナッツのようなナッツ感と、ミルクチョコレートのような甘めのチョコ感が持ち味です。

水出しにすると、キャラメルやブラウンシュガーの柔らかい甘味がさらに際立ち、滑らかでコクのある味わいに。酸味は控えめなので、コーヒーの苦手な方や、ブラックが飲めない方にも受け入れやすい仕上がり。1971年製のヴィンテージProbat UG22nが引き出す重厚な甘みが、水出しという抽出法でさらに昇華されます。

インドネシア マンデリン エスペシャルも水出し向き。ダークチョコレートやブラウンシュガーの甘味が滑らかに溶け出し、スマトラ式精製特有のアーシーな風味が穏やかに感じられる、深みのあるコールドブリューが楽しめるでしょう。

急冷式の淹れ方レシピ

急冷式のポイントは「濃いめに抽出して、氷で一気に冷やす」こと。氷が溶けて薄まる分を計算に入れて、通常よりも濃く淹れるのがコツです。

材料(1杯分)

コーヒー豆:20g / 挽き具合:中挽き〜やや細め / お湯:130ml(湯温90℃前後)/ 氷:100g程度

手順

サーバーに氷を入れておき、その上にドリッパーをセットします。蒸らし30秒の後、テンポよく注いで抽出。ホットコーヒーが氷の上に直接落ちることで急速に冷却され、フレーバーが閉じ込められます。全体の抽出時間は2分〜2分30秒程度を目安に。

出来上がったらグラスに新しい氷を入れて注ぎます。キレがあり、フレーバーが鮮明な一杯が完成。エチオピア アリーチャ村で淹れると、ベリーの果実感とフローラル香が冷たさの中で鮮やかに弾けます。

水出しの淹れ方レシピ

水出しは仕込んで待つだけ。寝る前にセットしておけば、翌朝には美味しいコールドブリューが完成しています。

材料(約3杯分)

コーヒー豆:50g / 挽き具合:粗挽き / 水:500ml(常温の軟水がおすすめ)

手順

水出し用ポットやピッチャーに粗挽きの粉を入れ、水を注いでゆっくりかき混ぜます。蓋をして冷蔵庫で8〜12時間浸漬。時間が経ったらフィルターで粉を取り除けば完成です。

浸漬時間8時間だとライトで飲みやすく、12時間だと濃厚でコクのある仕上がりに。好みに合わせて調整してみてください。ブラジル 山口農園で仕込むと、ナッツの香ばしさとチョコレートの甘味がまろやかに広がる、贅沢なコールドブリューになります。

よくある質問

Q.  深煎りでないとアイスコーヒーは美味しくないのでしょうか?

そんなことはありません。確かに深煎りは苦味とコクが強く、氷で薄まってもしっかりとした味が残るため、従来のアイスコーヒーの定番ではありました。しかし急冷式なら、浅煎り〜中煎りのフルーティーな豆で淹れても、フレーバーがシャープに残る華やかなアイスコーヒーに。
近年はスペシャルティコーヒーショップでも、浅煎りの豆を使ったアイスコーヒーを見かける機会が増えています。固定観念を手放して、ぜひ試してみてください。

Q.  水出し用ポットは何がおすすめですか?

フィルター付きのピッチャー型が最も手軽。粉を入れて水を注ぐだけで、フィルターが粉の落下を防いでくれます。容量は700ml〜1L程度のものが使いやすいでしょう。専用のものがなくても、お茶パックに粉を入れてピッチャーに浸す方法でも十分に美味しいコールドブリューが作れます。

Q.  水出しコーヒーの作り置きは何日持ちますか?

冷蔵庫で保存して2〜3日が目安です。それ以上経つと風味が劣化し、酸味が不快な方向に変化することがあります。作りすぎに注意して、2日以内に飲みきれる量を仕込むのがおすすめ。抽出後は必ず粉を取り除いてから保存しましょう。粉を入れっぱなしにすると過抽出が進み、雑味が出てしまいます。