ブラジル産ブルボン種ナチュラル|ナッツ・チョコが香る山口農園のスペシャルティ

NOVOLD COFFEE ROASTERSのふるいから焙煎豆がステンレス缶に落ちる工程

朝のキッチンに広がる、アーモンドとチョコレートの甘い香り。カップに注がれた琥珀色の液体を一口含めば、口いっぱいに広がるのはナッツの芳醇さとミルクチョコレートのまろやかな甘み。これが、ブラジル産ブルボン種ナチュラルの世界です。スペシャルティコーヒーと聞くと、フルーティーで酸味の効いた浅煎りをイメージする方も多いかもしれません。けれど、王道の魅力というものは確かに存在します。奇をてらわず、それでいて深い。そんな一杯を探している方にこそ、この組み合わせを知ってほしいのです。

 

ブラジル×ブルボン×ナチュラル — この組み合わせが愛される理由

世界最大のコーヒー生産国ブラジル。その広大な国土のなかでも、ミナスジェライス州のセラード地域は、スペシャルティコーヒーの名産地として世界中のバイヤーから注目を集めています。標高850〜1,200mの高原台地に広がるこのエリアは、乾季と雨季がはっきりと分かれた気候が特徴。この明確な季節の移ろいが、コーヒーチェリーの成熟をゆっくりと進め、糖度を蓄積させていきます。

そこで栽培されるのが、アラビカ種の原種に最も近い品種のひとつであるブルボン種。そして、収穫したチェリーを果肉ごと天日乾燥させるナチュラル精製。ブラジルの太陽、ブルボンの遺伝子、ナチュラルの甘み—— この3つが重なり合ったとき、ナッツとチョコレートが織りなす至福のフレーバーが生まれます。派手さはなくとも、何度飲んでも飽きのこない奥深さ。それこそが、この組み合わせが長く愛され続ける理由ではないでしょうか。

 

ブルボン種とは — アラビカの原種に最も近い品種

コーヒーの品種は、ワインにおけるブドウ品種と同じように味わいを大きく左右します。ブルボン種は、インド洋に浮かぶレユニオン島(旧名ブルボン島)を起源とする歴史ある品種。アラビカ種の二大原種のひとつとして、ティピカ種と並び称される存在です。

ただし、ブルボン種の栽培は容易ではありません。収量がほかの改良品種と比べて少なく、病害虫にも弱い。生産効率を考えれば、あえてブルボン種を選ぶ理由はなさそうに思えます。それでも世界中の生産者がこの品種を手放さないのは、ほかの品種では再現できない風味の豊かさがあるから。甘みの深さ、ボディの丸さ、複雑なアロマ——ブルボン種が持つポテンシャルは、効率では測れない価値を秘めています。

ワインの世界で「ピノ・ノワール」が気難しいのに愛され続けるように、コーヒーの世界でブルボン種は「手間がかかるけれど、それだけの価値がある品種」として不動の地位を築いてきました。

 

ナチュラル精製がブルボンの甘みを最大化する

コーヒーチェリーから生豆を取り出す工程を「精製」と呼びますが、その方法によって味は大きく変わります。ナチュラル精製は、収穫したチェリーの果肉をつけたまま天日でじっくり乾燥させる、最もシンプルで古い精製方法。果肉に含まれる糖分が乾燥の過程で豆に浸透し、独特の甘みとボディを生み出すのがこの方法の真骨頂です。

ブルボン種がもともと持っている甘みのポテンシャルを、ナチュラル精製がさらに増幅させる。アーモンドやヘーゼルナッツのようなナッツ感、ミルクチョコレートの柔らかい甘さ、そしてキャラメルやブラウンシュガーを思わせる後味——これらはすべて、ブルボン種とナチュラル精製の相性の良さが生み出した産物です。水洗式(ウォッシュド)のように果肉を洗い流してしまえば、この濃厚な甘みは得られません。ブラジルの乾燥した気候はナチュラル精製に最適であり、この土地だからこそ実現できる味わいがここにあります。

 

山口農園 — 日系生産者が守るブルボンの伝統

NOVOLD COFFEE ROASTERSが取り扱うブラジル産ブルボン・ナチュラルは、ミナスジェライス州セラード地域の山口農園から届けられる一品。この農園を営むのは、ブラジルに渡った日系生産者たちです。

伝統的なブルボン種を守り、自然乾燥式にこだわる——その姿勢は、効率や流行を追うのではなく、「この品種でしか出せない味がある」という信念に裏打ちされたもの。日系農園ならではの丁寧さと品質への妥協のなさが、一粒一粒の豆に宿っています。

カップに注いで最初に感じるのは、アーモンドとヘーゼルナッツの穏やかなナッツ感。続いて広がるのが、ミルクチョコレートのような甘めのチョコ感。酸味は控えめで、キャラメルやブラウンシュガーを思わせる柔らかい甘味が口の中をやさしく満たしていきます。派手なフルーツ感や鮮烈な酸味とは対極にある、静かで確かな美味しさ。忙しい朝のひとときにも、午後の休憩にも、いつでも寄り添ってくれるような安心感のある味わいです。

 

Probat焙煎が引き出す山口農園の真骨頂

この山口農園のブルボン・ナチュラルを、NOVOLD COFFEE ROASTERSでは1971年製のヴィンテージ焙煎機Probat UG22nで焙煎しています。ドイツの老舗プロバット社が技術力の頂点にあった「黄金期」に製造された一台。高品質で厚い鋳鉄ドラムが生む優れた蓄熱性と均一な熱分布が、豆の芯まで火を通し、重厚なコクと豊かな甘みを最大限に引き出します。

半熱風式による伝導熱と対流熱の組み合わせ。焙煎士が五感を駆使して手動でガス圧やダンパーを調整するアナログな工程。機械任せでは出せない温かみが、この焙煎機から生まれるのです。ブルボン種×ナチュラル精製が持つ甘みのポテンシャルを、ヴィンテージの鋳鉄ドラムが遠赤外線でじっくりと開花させる——それが、NOVOLD COFFEE ROASTERSの山口農園ブルボンの真骨頂。

味覚チャートは、甘味4・香り3・コク2・酸味2・苦味2。甘味が突出したバランスで、コーヒー初心者から通の方まで幅広く楽しめる一杯です。

 

よくある質問

Q. ブルボン種とティピカ種の味の違いは?

ブルボン種は甘みが強く、丸みのあるボディが特徴です。対してティピカ種は、繊細でクリーンな酸味が際立つ傾向があります。どちらもアラビカの原種に近い品種ですが、カップに注いでみるとその個性の違いははっきり感じ取れるはず。NOVOLD COFFEE ROASTERSでは、マンデリン エスペシャルにティピカ種が含まれていますので、飲み比べてみるのも一興です。

Q. ナチュラル精製のコーヒーは初心者でも楽しめる?

むしろ、初心者にこそおすすめしたい精製方法です。ナチュラル精製は果実の甘みが豆に移行するため、苦味や酸味が穏やかで飲みやすいものが多い傾向にあります。特にブラジル産ブルボンのナチュラルは、ナッツやチョコレートの親しみやすいフレーバーが中心なので、スペシャルティコーヒーへの入り口として最適です。

Q. おすすめの淹れ方は?

ペーパードリップなら、中挽きで湯温88〜90℃がおすすめ。ゆっくりと注ぐことで、ナッツの甘みとチョコレートの風味をしっかり引き出せます。フレンチプレスで淹れれば、ナチュラル精製ならではのボディ感がより豊かに感じられるでしょう。ミルクとの相性も抜群なので、カフェオレにしても楽しめます。