季節に合わせてコーヒーを選ぶという贅沢

ワインの世界では、季節ごとに飲むものを変える文化が根づいています。春には軽やかな白ワイン、夏にはスパークリング、秋にはミディアムボディの赤、冬にはフルボディの赤。料理と同じように、飲み物にも「旬」がある。
コーヒーも同じではないでしょうか。一年を通して同じ豆を飲むのも良いけれど、季節に合わせて銘柄を変えてみると、コーヒータイムの楽しみが何倍にも広がります。春の華やかさ、夏の爽快感、秋の深み、冬の温もり。それぞれの季節にふさわしい一杯がある。
NOVOLD COFFEE ROASTERS(NCR)の6銘柄は、まるで四季に合わせてデザインされたかのように個性が異なります。93年の歴史を持つ老舗ロースタリーが届ける、季節ごとのコーヒーの楽しみ方をご案内しましょう。
春 — コスタリカの華やかな酸味で新生活に彩りを

桜が咲き、新しい季節が始まる春。空気の中にどこか期待感が漂うこの季節には、気持ちを明るく前向きにしてくれるコーヒーを選びたいもの。
コスタリカ グラナディージャ農園は、春にふさわしい一杯。タラス地方の標高1,850〜1,950mで育ったカトゥアイ種を、イエローハニー精製で仕上げたこの豆は、レモンやオレンジ、トロピカルフルーツを思わせる明るくクリーンな酸味が特徴です。
ジャスミンを連想させるフローラルな余韻が長く続く—— その華やかさは、桜の季節と見事に重なります。窓を開けて春風を感じながら、ジャスミン香るコスタリカを一口。新生活の始まりに、明るい酸味のコーヒーが小さな勇気をくれる。ハチミツのような甘味が、春の柔らかい日差しのように心を温めてくれます。
2011年にカップ・オブ・エクセレンスで優勝したマイクロミルが手がける品質は折り紙付き。新生活のスタートダッシュに、このクリアな一杯を添えてみてください。
夏 — エチオピアのアイスコーヒーで果実感を楽しむ

うだるような暑さの中、キンキンに冷えたアイスコーヒーが身体に染み渡る——。夏のコーヒーは、ホットとはまったく異なるアプローチで楽しみたいもの。
夏におすすめしたいのが、エチオピア アリーチャ村 ナチュラルの急冷式アイスコーヒー。濃いめにハンドドリップで抽出し、氷をたっぷり入れたグラスに一気に注ぐ。すると、ブルーベリーやラズベリーの赤系果実感が冷たさの中で一層際立ち、まるでフルーツジュースのような鮮やかさに変わるのです。
イルガチェフェ郡アリーチャ村の標高1,800〜2,200mで育ったエチオピア原種。ニセバナナの木をシェードツリーにしたガーデンコーヒーとして栽培され、アフリカンベッドで丁寧に乾燥されたナチュラルプロセス。その製法が生む赤ワインのような重厚な果実味は、アイスにすることで清涼感と共存する絶妙なバランスに。
ジャスミンやオレンジブロッサムのフローラル香は、冷たくしても健在。酸味4、甘味4、香り4という華やかなプロファイルは、夏の太陽に負けない個性を放ちます。ナチュラルプロセス由来のハチミツに似た甘味が冷たさの中にもまろやかさを添え、最後まで飲み飽きない一杯に。
秋 — グアテマラの深みを読書の秋に

暑さが和らぎ、空気が澄んでくる秋。読書、音楽、散歩——。 穏やかな時間を過ごしたくなる季節には、コーヒーにも落ち着きと深みが欲しくなります。
グアテマラ エルインヘルト農園の豆は、秋の空気にしっくりと馴染む一杯。ウエウエテナンゴの標高1,500〜2,000mに位置する名門農園で、火山性土壌と冷涼な気候が育んだブルボン種とカトゥアイ種。完熟実のみを手摘みし、山からの湧き水を使い60〜72時間の長時間発酵を行うウォッシュド製法。
ストロベリーのような果実感と、ほのかにワインを思わせる気品あるアロマ。クリーンで明るい酸味がありながら、余韻にナチュラルのような甘味が重なり合う。コク3、甘味3、香り3——すべてがバランスよく調和した味わいが、秋のゆったりとした時間に寄り添います。
ページをめくる手を止め、カップに口をつける。秋風が窓から入り込む午後に、グアテマラの穏やかな深みはまるで良質な文学作品のような余韻を残してくれるでしょう。
冬 — マンデリンの重厚なフルボディで温まる

木枯らしが吹き、手がかじかむ冬。この季節に飲みたいのは、身体の芯から温めてくれるような一杯。
インドネシア マンデリン エスペシャルの出番です。スマトラ島北部のリントンニフタ、パランギナンで栽培され、スマトラ式で精製されたこの豆は、コク5段階中4の重厚なフルボディ。ダークチョコレートやブラウンシュガーを思わせる甘味が、寒さで凍えた身体にじんわりと熱を伝えてくれます。
クローブやナツメグといったスパイシーな風味は、冬のスパイスを連想させませんか。シナモンやジンジャーが効いたクリスマスのお菓子と同じような温かみが、マンデリンの風味の中にあるのです。湿った土や森のアーシー感は、冬の焚き火のような大地の温もり。
酸味を抑えた重厚な味わいは、冷え込む朝の第一杯にも、仕事終わりの夜のホッとしたい一杯にも最適。分厚いセーターに包まれるような安心感を、一杯のコーヒーから感じてください。
通年で楽しめる万能選手 — ブラジル山口農園

春夏秋冬、それぞれの季節に合う銘柄をご紹介してきましたが、「結局どの季節にも合う定番が一つ欲しい」という方もいるはず。
その答えが、ブラジル山口農園。ミナスジェライス州セラード地域のブルボン種、ナチュラル精製。アーモンドやヘーゼルナッツのナッツ感、ミルクチョコレートの柔らかい甘さ、キャラメルやブラウンシュガーの穏やかな甘味。この「角がない」穏やかさは、季節を選びません。
春にはトーストと合わせて。夏には少し濃いめに淹れてアイスにしても優しい味わい。秋には和菓子のお供として。冬にはミルクを加えてカフェオレにしても美味しい。甘味4を筆頭に、すべての数値が穏やかにまとまったこの豆は、年間を通しての「定番枠」として頼れる存在です。
季節ごとに銘柄を変えつつ、ブラジル山口農園だけは常にストックしておく。そんな使い方が、NCRの季節コーヒーライフを楽しむコツかもしれません。通販で複数銘柄を揃えて、四季折々のコーヒータイムを始めてみてはいかがでしょう。
よくある質問
Q. 季節限定の豆はありますか?
NCRの最新のラインナップや季節限定商品については、公式サイトやSNSでご確認ください。スペシャルティコーヒーの世界では、収穫時期(クロップ)によって風味が微妙に変わることもあり、同じ銘柄でも季節ごとの味わいの違いを楽しめることがあります。
Q. アイスコーヒーにはどの銘柄がおすすめですか?
本文でもご紹介した通り、エチオピア アリーチャ村ナチュラルの急冷式アイスが特におすすめです。赤系果実感がアイスで際立ち、フルーティーな清涼感を楽しめます。ブラジル山口農園も、ナッツ系の穏やかな甘みがアイスでも崩れにくく、万人向けのアイスコーヒーに仕上がります。マンデリンのアイスは好みが分かれますが、ダークチョコ系のコクが好きな方にはクセになる味わいです。
Q. 冬はホットしか飲まない方がいいですか?
そんなことはありません。暖房の効いた室内でアイスコーヒーを飲む—— それもまた冬の贅沢。ただ、冬はホットの方が豆の甘味や香りを感じやすく、マンデリンやグアテマラの複雑な風味を堪能するには温かい状態がベスト。季節の空気と飲み方を合わせるか、あえてギャップを楽しむか。そこに正解はありませんので、自分の気分に正直に選んでみてください。