コスタリカのハニープロセスが美味しい理由 — ハチミツのような甘さの正体と名門農園の一杯

コスタリカのハニープロセスが美味しい理由 — ハチミツのような甘さの正体と名門農園の一杯

「ハニープロセス」という名前を聞いて、ハチミツを使った精製方法だと思っていませんか? 実は、ハチミツは一切使われていません。それなのに、カップから立ち上るのはまぎれもなくハチミツを思わせる甘い香り。レモンやオレンジの明るい酸味が寄り添い、最後にはジャスミンのようなフローラルな余韻がふわりと漂う。名前の由来から味わいの秘密、そしてコスタリカがこの精製方法の聖地と呼ばれる理由まで—— ハニープロセスの世界を一緒に歩いていきましょう。

 

「ハニー」プロセスという名の誤解と真実

ハニープロセスは、コーヒーチェリーの果肉を除去したあと、種子の周りについている粘液質(ミューシレージ)を残したまま乾燥させる精製方法です。この粘液質がベタベタとハチミツのような質感であることから、「ハニー」プロセスと名づけられました。つまり、蜂蜜を加えているわけではなく、チェリー自身が持つ天然の糖分がそのまま豆に浸透していく工程なのです。

ナチュラル精製が果肉ごと乾燥させるのに対し、ハニープロセスは外皮と果肉を機械で除去してからミューシレージだけを残す。ウォッシュドが水で粘液質まで洗い流すのに対し、ハニープロセスはあえて残す。ナチュラルの甘みとウォッシュドのクリーンさ、その中間に位置する絶妙な精製方法。だからこそ、「良いとこ取り」と評されることも少なくありません。

 

ハニープロセスの種類 — イエロー・レッド・ブラックの違い

ハニープロセスは一括りにできるほど単純ではありません。残す粘液質の量や乾燥条件によって、いくつかの種類に分かれます。

まず、イエローハニー。粘液質を少なめに残し、比較的短時間で乾燥させたもの。クリーンさが際立ち、ウォッシュドに近い透明感を持ちながらも、ほのかな甘みが加わります。次にレッドハニー。粘液質をやや多く残し、乾燥時間も長め。甘みとボディが増し、フルーツ感がより豊かに。そしてブラックハニー。粘液質をほぼすべて残し、じっくり時間をかけて乾燥。ナチュラルに近い濃厚な甘みと複雑さが生まれます。

同じハニープロセスでも、どのレベルを選ぶかで味のプロファイルはがらりと変わる。この多彩さもまた、ハニープロセスの大きな魅力です。

 

なぜコスタリカがハニープロセスの聖地なのか

ハニープロセスはさまざまな産地で行われていますが、その技術レベルと普及度で群を抜いているのがコスタリカです。その背景には、いくつかの要因が重なっています。

ひとつは「マイクロミル革命」と呼ばれる動き。大規模な精製施設に頼るのではなく、各農園が自前の小規模精製施設(マイクロミル)を持ち、栽培から精製まで一貫管理する体制が整えられました。これにより、農園ごとの個性を最大限に引き出す繊細な精製コントロールが可能に。もうひとつは、環境意識の高さ。水資源の保護が叫ばれるコスタリカでは、大量の水を使うウォッシュドよりも、水の使用量を抑えられるハニープロセスへのシフトが進みました。技術力と環境への配慮が交差する地点に、コスタリカのハニープロセスは花開いたのです。

 

グラナディージャ農園 — COE優勝ミルのイエローハニー

NOVOLD COFFEE ROASTERSが取り扱うコスタリカのコーヒーは、タラス地区に位置するグラナディージャ農園のイエローハニー。標高1,850〜1,950mという高地に農園を構え、2011年にはカップ・オブ・エクセレンス(COE)で優勝を果たした名門マイクロミルが、栽培から水洗処理まで徹底した品質管理を行っています。

標高1,800mを超える高地がもたらす昼夜の激しい気温差。この環境がチェリーの成熟をじっくりと進め、糖度と酸味を蓄積させていきます。そうして育まれたチェリーをイエローハニーで仕上げることで、クリーンさと甘みの絶妙なバランスが実現。

カップから立ち上るのは、ハチミツのような甘い香り。口に含めば、レモンやオレンジ、トロピカルフルーツを思わせる明るくクリーンな酸味が広がり、最後にはジャスミンを連想させる華やかでフローラルな余韻が長く続きます。品種はカトゥアイ。甘みと酸味のバランスに優れたこの品種と、イエローハニーの透明感が見事に調和した一杯です。

 

イエローハニーの透明感をLoringのクリーン焙煎で

イエローハニーの特徴であるクリーンな甘みと繊細な酸味を、焙煎で濁らせてしまっては元も子もありません。NOVOLD COFFEE ROASTERSでは、このグラナディージャ農園のイエローハニーをLoring S35 Kestrelで焙煎しています。

特許技術「Flavor-Lock Roast Process」が煙の影響を極限まで排除し、産地特有の個性をダイレクトに表現。精密に制御された対流式の熱風循環システムが、豆一粒一粒にムラなく熱を届け、イエローハニーの透明感あるフレーバーを余すことなく引き出します。四国地方で唯一のLoring S35 Kestrelだからこそ可能な、クリーンで繊細な焙煎。

味覚チャートは、甘味3・香り3・酸味2・コク2・苦味1。苦味がほぼなく、甘みと香りが穏やかに調和したプロファイルです。ハニープロセスの魅力を純粋に味わいたい方に、自信を持ってお届けします。

 

よくある質問

Q. ハニープロセスは甘い味がする?

ハチミツを使っているわけではないものの、粘液質の糖分が豆に浸透するため、実際に甘みのあるコーヒーに仕上がります。特にグラナディージャ農園のイエローハニーは、ハチミツのような甘味が心地よく広がり、その名前にふさわしい味わいです。砂糖を入れなくても十分な甘さを感じられるでしょう。

Q. イエローハニーとウォッシュドの違いは?

ウォッシュドは粘液質をすべて水で洗い流すため、豆本来の風味だけが残るクリーンな味わいが特徴。イエローハニーは少量の粘液質を残すことで、ウォッシュドのクリーンさを保ちつつ、ほのかな甘みとボディが加わります。「ウォッシュドの透明感が好きだけど、もう少し甘さがほしい」という方にぴったりの精製方法です。

Q. 初心者にもおすすめ?

とてもおすすめです。イエローハニーは癖が少なく、甘みと酸味のバランスが良い仕上がりになるため、コーヒーを飲み始めたばかりの方にも親しみやすい味わい。グラナディージャ農園のイエローハニーは、フローラルな余韻も楽しめるので、「いつものコーヒーとは少し違う体験をしてみたい」という方の入門編としても最適です。