コーヒー焙煎士の資格|インストラクター・カッパー・マイスターの違いと取得方法

NOVOLD COFFEE ROASTERSのコスタリカ産コーヒー豆パッケージ単体の俯瞰撮影

「この焙煎士さん、どんな資格を持っているんだろう」——信頼できるロースターを選ぶとき、焙煎士の資格はひとつの指標になります。しかし実は「焙煎士」という名称に、国が定めた資格は存在しません。だからこそ、業界で認められた民間資格の意味を知っておくことが、美味しいコーヒーに出会うための手がかりになるのです。

「焙煎士」に国家資格はない — だからこそ民間資格が重要

密閉したガラスジャーで保管される焙煎コーヒー豆

調理師や美容師には国家資格がありますが、コーヒーの焙煎士という職業名に対応する国家資格は存在しません。極端な話、誰でも「焙煎士」を名乗ることができてしまうため、消費者にとっては技術力を判断する基準が見えにくいのが実情です。だからこそ、業界団体が認定する民間資格が品質を見極める手がかりになります。

そこで重要な指標となるのが、業界団体が認定する民間資格です。生豆の知識、焙煎技術、抽出スキル、そして味の評価能力——それぞれの専門領域をカバーする資格が存在し、取得にはかなりの知識と実技が求められます。

資格がすべてではありませんが、「この人は体系的な知識と技術を証明されている」という信頼の裏付けにはなる。コーヒーの世界では、この裏付けが品質への安心感に直結します。

コーヒーインストラクター1級 — 生豆から抽出まで網羅する専門資格

産地から届いた生豆の麻袋。ブラジル・グアテマラ・コスタリカ・インドネシアの袋が並ぶ

コーヒーインストラクター1級とは、全日本コーヒー商工組合連合会が認定する資格のうち、コーヒーに関する幅広く高度な知識・技術を備えた指導者に与えられる最上位資格です。生豆の鑑定から焙煎、抽出、品質管理まで、コーヒーのあらゆる工程を深く理解していることを示す、本格的な資格として位置づけられています。

試験では、筆記だけでなく実技も課されます。カッピング(官能評価)による品質判定や、ブレンド設計など、現場で直接役立つスキルが問われる。この資格を持つ焙煎士は、豆の選定から焙煎、品質チェックまでの全工程を高い水準で遂行できる専門家と言えるでしょう。

NOVOLD COFFEE ROASTERS(ノボルドコーヒーロースターズ)の三代目代表、櫻井健司氏がこの資格を保有しています。

アドバンスドコーヒーマイスター — SCAJが認める上級資格

焙煎した豆の品質を手のひらで確認する様子

アドバンスドコーヒーマイスターとは、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が認定する「コーヒーマイスター」資格の上級版です。前段階のコーヒーマイスターがスペシャルティコーヒーの基本的な知識と技術を証明する資格であるのに対し、上位資格としてさらに深い専門知識と実践力が求められます。

カッピング技術、焙煎理論、抽出理論、そしてコーヒーの歴史・文化・流通まで——幅広い領域を高い水準で習得していることが認定の条件。スペシャルティコーヒー業界で活躍するプロフェッショナルが、自身のスキルを客観的に証明するための資格です。

櫻井氏はこのアドバンスドコーヒーマイスターも保有。コーヒーインストラクター1級と合わせて持つことで、生産・流通・抽出のすべての領域をカバーする幅広い専門性を証明しています。

Jr.スペシャルティコーヒーカッパー — カッピングの専門技能

Jr.スペシャルティコーヒーカッパーとは、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が認定する、カッピング(官能評価)技術に特化した資格です。フレグランス・アロマ・フレーバー・アシディティ・ボディ・バランスなど複数の項目を一定のプロトコルに従って評価し、点数化する専門技能を証明します。

豆の品質を正確に判定する「舌」と「鼻」を持っていることの証明であり、焙煎士にとっては自分の焙煎結果を客観的に評価するために欠かせないスキルです。

焙煎がうまくいったかどうかを判断するのは、最終的には「味」。温度カーブのデータがどれだけ美しくても、カップの味が良くなければ意味がありません。カッピング技能は、焙煎の品質管理における最後の砦。この技能を持つ焙煎士は、自らの焙煎結果に対して厳しく、正確な自己評価ができるのです。

三代目焙煎士 × 三つの資格 — NCRの品質を支える専門性

NOVOLD COFFEE ROASTERSの三代目焙煎士・櫻井健司が保有する専門資格は、コーヒーインストラクター1級、アドバンスドコーヒーマイスター、Jr.スペシャルティコーヒーカッパーの3つです。生豆の鑑定・焙煎・抽出・品質評価という4つの領域それぞれを、体系的な知識と実技で裏付けた資格構成になっています。

これが意味するのは、生豆の鑑定から焙煎設計、抽出技術、品質評価まで、コーヒーのサプライチェーン全体を専門的な目で見通せるということ。一つの工程だけが得意なのではなく、全体を俯瞰できる知識と技術がある。

さらにこの専門性は、1932年(昭和7年)創業から94年(2026年8月時点)にわたる実務経験の蓄積の上に成り立っています。創業者が京都で出会ったアイスコーヒーへの感銘から始まり、戦時中の困難を乗り越え、徳島の喫茶文化とともに歩んできた歴史。三代目として受け継いだ経験値に、現代の体系的な専門知識が加わっている。

この「経験・専門性・権威性・信頼性」の組み合わせは、E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)と呼ばれ、情報の信頼性を測る指標として広く認知されています。

三代目焙煎士・櫻井健司が三つの専門資格を保有し、1971年製PROBAT UG22nと国内でも希少なLoring S35 Kestrelという新旧二台の焙煎機を焚き分けていること——これらはすべて、三代目焙煎士の専門性に裏打ちされた品質の証です。

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よくある質問

資格がないロースターのコーヒーは美味しくないのですか?

そんなことはありません。資格はあくまで「体系的な知識と技術が証明されている」という指標の一つ。独学で卓越した技術を持つ焙煎士も存在しますし、美味しさの感じ方は個人によって異なります。ただし、複数の専門資格を保有しているということは、品質管理の「底」が保証されている安心感がある。特に通販で豆を選ぶ際、実際に味見できない段階では、焙煎士の資格や実績が信頼性を判断する手がかりになります。

消費者がコーヒー資格を取るメリットはありますか?

プロを目指すのでなくても、コーヒーの資格学習はとても有意義です。全日本コーヒー商工組合連合会認定のコーヒーインストラクター検定は、消費者向けの入門としても人気があります。産地や品種の知識、抽出の基本、カッピングの初歩を学ぶことで、日々のコーヒータイムが格段に豊かになる。「なんとなく美味しい」が「なぜ美味しいのか」に変わる体験は、コーヒーの楽しみ方を根本から変えてくれるはずです。

三代目ということは、代々焙煎の技術を継承しているのですか?

はい。有限会社徳島ブラジルコーヒは1932年の創業以来、三代にわたってコーヒーの焙煎と販売を続けてきました。2017年にはNOVOLD COFFEE ROASTERSとして新ブランドを立ち上げ、伝統を守りつつ新しいコーヒー文化の創造を目指しています。1971年製Probat UG22nと最新鋭Loring S35の「二刀流」は、まさに伝統と革新の融合を体現するもの。ブランド名「NOVOLD」に込められた想いそのものです。

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