コーヒー豆を買おうとオンラインショップを開いたものの、ブラジル、エチオピア、グアテマラ……並ぶ産地名を前に「どれを選べばいいのかわからない」とブラウザを閉じてしまった経験はないでしょうか。自分の好みがまだ定まっていない段階で一つの豆に賭けるのは、なかなか勇気のいること。だからこそ、飲み比べという選択肢があるのです。
自分の好みがわからない — 初心者の最大の悩み

コーヒー豆の飲み比べセットとは、産地や精製方法が異なる複数の豆を少量ずつ試せるセットのことで、自分の好みがまだ定まっていない初心者に最適な選び方です。一種類だけでは「美味しい」か「そうでないか」の二択にしかなりませんが、比較することで好みの軸が自然に浮かび上がります。
「酸味が好きなのか、苦味が好きなのか。フルーティーが合うのか、ナッツ系が合うのか。そもそも自分がコーヒーに何を求めているのかわからない」。これは、コーヒー初心者が必ず通る道です。
味の好みは、頭で考えるだけでは見つかりません。実際に舌で体験して、「これは好き」「これは違う」と判断を重ねることで、初めて輪郭が見えてくるもの。そして、その判断を最も効率的に行える方法が「飲み比べ」なのです。
実際に比較すると、「こっちのほうが好き」「あっちの甘みが印象的だった」というように、好みが具体的に見えてきます。飲み比べは、自分の味覚と対話するための最良のツールです。
飲み比べセットの選び方 — 3つのポイント

飲み比べセットを選ぶポイントは、産地の異なる豆が含まれていること・50〜100g程度の少量で試せること・フレーバー情報が明記されていることの3つです。この3条件を満たすセットなら、合わなかった場合のダメージも少なく、気軽に自分の好みを探れます。
1. 産地の異なる豆が含まれていること
コーヒーの味は産地によって驚くほど変わります。同じ中南米でもブラジルとグアテマラでは全く異なるフレーバー。アフリカのエチオピア、アジアのインドネシアとなればなおさらです。異なる産地の豆を比較することで、「自分はどの地域のコーヒーが好きなのか」という大きな軸が見えてきます。
2. 少量で試せること
200gや500gの袋をいきなり何種類も買うのはリスクが高い。50g〜100g程度の少量パックで試せるセットなら、合わなかった場合のダメージも少なく、気軽に冒険できます。
3. 味の方向性が明記されていること
「ナッツ・チョコ系の甘み」「ベリーのようなフルーティーさ」といった具体的なフレーバー情報が明記されているセットを選びましょう。飲み比べの結果を「なんとなく好き」で終わらせず、「自分はナッツ系が好きなんだ」と言語化できるようになるためです。
NCR 6銘柄で巡る「味の世界旅行」

NOVOLD COFFEE ROASTERSの6銘柄は、ブラジル山口農園(標高940m、ナッツ・チョコ系)からエチオピア アリーチャ村(ベリー・フローラル系)、マンデリン エスペシャル(標高1,300m、アーシー・重厚系)まで、産地・精製方法の異なる味わいを一度に比較できるラインナップです。
この6銘柄を巡ることは、コーヒーの世界を一周する旅のようなもの。
第1の目的地 — ブラジル 山口農園(ナッツ・チョコの安心感)
ミナスジェライス州セラード地域。ブルボン種のナチュラル精製。アーモンド、ヘーゼルナッツ、ミルクチョコレートの穏やかな甘み。甘味4・酸味2。多くの人が「好き」と感じやすい、旅の出発点にふさわしい一杯です。
第2の目的地 — コスタリカ グラナディージャ農園(柑橘・ハニーの透明感)
タラス地方、標高1,850〜1,950m。カトゥアイ種のイエローハニー精製。ハチミツのような甘味と、レモンやオレンジの明るくクリーンな酸味。ジャスミンのフローラルな余韻。ブラジルとの対比で、酸味の心地よさに気づくかもしれません。
第3の目的地 — エチオピア アリーチャ村(ベリー・フローラルの衝撃)
イルガチェフェ郡、標高1,800〜2,000m。エチオピア原種のナチュラル精製。ブルーベリー、ラズベリーの果実感。ジャスミン、オレンジブロッサムのフローラル香。「コーヒーってこんな味がするのか」という驚きが待っています。
第4の目的地 — グアテマラ エルインヘルト農園(果実・バランスの気品)
ウエウエテナンゴ、標高1,500〜2,000m。ブルボン、カトゥアイ種のウォッシュド精製。ストロベリーの果実感とワインのようなアロマ。クリーンな酸味と甘味のバランスが美しい、気品ある一杯。
第5の目的地 — マンデリン エスペシャル(アーシー・重厚の個性)
スマトラ島北部、標高1,300m。スマトラ式精製。湿った土や森のアーシーな風味、クローブやナツメグのスパイス感。ダークチョコレートの甘味と重厚なフルボディ。コク4。他のどの銘柄とも異なる、独創的な世界観。
第6の目的地 — フルッタ アナエロビック(発酵・ワインの冒険)
ミナスジェライス州セラード地域。嫌気性発酵+ナチュラル精製。チェリー、ストロベリーの鮮やかな果実感と、ワインのような発酵香。温度変化で表情が七変化する冒険的な一杯。旅の最後を飾るにふさわしい刺激です。
飲み比べを楽しむコツ — 同じ条件で淹れて比較する
飲み比べの精度を上げる最大のコツは、挽き具合・湯温・粉の量・湯量・抽出時間をすべて揃えて「同じ条件で淹れる」ことです。条件を統一しないと、豆そのものの違いなのか淹れ方の違いなのかが判断できなくなります。メモを取りながら飲むと、味覚の解像度がさらに上がります。
たとえば「ブラジルは甘い」「エチオピアは華やか」「マンデリンは重い」——シンプルな一言でも構いません。
あなたの「推し豆」を見つけたら
飲み比べで「これが好き」という豆が見つかったら、次は200g・500gの通常サイズで本格的に楽しむのがおすすめです。昭和7年(1932年)創業のNOVOLD COFFEE ROASTERSの6銘柄には、代表・櫻井健司氏の焙煎技術が凝縮されています。
毎日飲むことで、味覚チャートの数字では表現しきれない細やかなニュアンスに気づけるようになります。
NOVOLD COFFEE ROASTERSは、1932年の創業から徳島の喫茶文化とともに歩んできた老舗ロースタリー。代表の櫻井健司氏はコーヒーインストラクター1級、アドバンスドコーヒーマイスター、Jr.スペシャルティコーヒーカッパーの資格を持つ専門家です。
よくある質問
飲み比べは何種類がベストですか?
初心者には2〜3種類からのスタートをおすすめします。一度に5種類以上を比較すると、味の記憶が混ざってしまい、違いがわかりにくくなることがあります。まずはブラジル山口農園とエチオピア アリーチャ村のように、味の方向性が大きく異なる2種類から始めて、慣れてきたら種類を増やしていくのが効果的です。
粉で届くのと豆で届くの、どちらがいいですか?
飲み比べの目的であれば、豆の状態で購入し、飲む直前に挽くのが理想です。粉に挽いた瞬間から酸化が加速するため、鮮度の面では豆のほうが圧倒的に有利。ただし、ミルをお持ちでない場合は粉の状態での購入も問題ありません。その場合は、開封後は密閉容器に入れて早めに飲み切ることを心がけてください。
飲み比べの順番に決まりはありますか?
一般的には、味の軽いものから重いものへ進むのがおすすめです。例えばコスタリカ(軽やか)→ブラジル(穏やか)→マンデリン(重厚)のように。重い味を先に飲むと、軽い味の繊細さを感じ取りにくくなることがあります。ただし、厳密なルールはありません。自由に楽しむことが何より大切です。



