コーヒーの精製方法の違いとは、「コーヒーチェリーの果肉をどの段階で外し、どれくらいの時間をかけて乾かすか」の違いです。ナチュラルは果実感、ウォッシュドはクリーンな輪郭、ハニーは甘み、スマトラ式は重いボディと低い酸、嫌気性発酵(アナエロビック)は発酵由来の複雑さ。同じ品種でも工程が変われば味は別物です。NOVOLD COFFEE ROASTERS(ノボルドコーヒーロースターズ)の7銘柄を実例に、工程の数字から味の出方まで解説します。
結論|精製方法の違いは「果肉をいつ外し、どう乾かすか」の差です
コーヒーの精製方法は、果肉を外す時点と乾燥日数で分かれます。ナチュラルは果実をまとったまま平均最長30日乾かし、ウォッシュドは収穫から24時間以内に果肉を外して洗い、ハニーは粘液質を残して18〜25日乾かします。スマトラ式は水分35〜50%の半乾きで脱穀し、アナエロビックは密閉容器で発酵させます。
| 精製方法 | 果肉を外す時点 | 乾燥の目安 |
|---|---|---|
| ナチュラル | 乾燥の後 | 最長30日前後 |
| ウォッシュド | 収穫24時間以内 | 天日7〜15日 |
| ハニー | 24時間以内 | 18〜25日 |
| スマトラ式 | 24〜48時間以内 | 12〜15日 |
| 嫌気性発酵 | 密閉発酵の後 | 後工程の方式次第 |
続けて、味の方向と当店の銘柄を比べます。
| 精製方法 | 味の方向 | 当店の銘柄 |
|---|---|---|
| ナチュラル | 果実感・甘み | 山口農園/アリーチャ |
| ウォッシュド | クリーン・明るい酸 | エルインヘルト |
| ハニー | 甘みとクリーンさ | グラナディージャ |
| スマトラ式 | 重いコク・低い酸 | マンデリン |
| 嫌気性発酵 | 発酵由来の複雑さ | フルッタ |
乾燥日数と果肉除去のタイミングは、生豆輸入商社Cafe Importsの各プロセス解説の数値です。以降の章で、この表を1行ずつ開いていきます。
精製とは何か|コーヒーチェリーから生豆までの5工程

精製とは、熟したコーヒーチェリーから種子(生豆)を取り出す一連の後処理工程を指します。チェリーは外側から外皮、果肉、粘液質(ミューシレージ)、パーチメント(内果皮)、生豆という層構造で、この層をどの順に外し、どの段階で乾かすかの組み合わせが精製方法の名前になります。
| 工程 | 何をするか | 方式で変わる点 |
|---|---|---|
| ① 収穫 | 完熟チェリーを摘む | 完熟度の揃え方 |
| ② 果肉除去 | 外皮と果肉を外す | 外す時点の早さ |
| ③ 発酵 | 粘液質を分解する | 槽か、果実の中か |
| ④ 乾燥 | 水分11〜12%まで乾かす | 日数と乾かす形 |
| ⑤ 脱穀 | パーチメントを外す | 外すときの含水率 |
見落とされやすいのが③です。Cafe Importsは、発酵はチェリーに傷がついた瞬間から始まり、豆が水分11%に達して微生物が活動できなくなるまで続く、と説明しています。発酵槽を使わないナチュラルでも、果実の内側では発酵が進んでいるわけです。方式の違いは発酵の有無ではなく、どこで、どれだけの長さ起こすかにあります。
なお全日本コーヒー協会は、収穫後に「脱肉、水洗、乾燥、脱穀、選別などの精選作業」が行われると整理しています。精製を「精選」と書く商品説明も多く、同じ工程です。
ナチュラル(非水洗式)とは|果実をまとったまま乾かす最古の方法

ナチュラルとは、収穫したチェリーを果肉がついたまま乾かし、乾ききってから果肉とパーチメントをまとめて外す精製方法です。Cafe Importsは、乾燥に天候次第で平均最長30日かかること、パティオ(乾燥場)や高床式ベッドで干すこと、ウォッシュドと違い機械乾燥にはかけられないことを挙げます。
味の方向も同社が明記しています。「果実的で、しばしば酒やワインにたとえられる風味。ナッツ感やチョコレート感を持つこともあり、ボディは重めかシロップ状になりやすい」。一方で乾燥中のカビや過発酵のリスクはウォッシュドより高いとも記されています。果実を長くまとわせるほど、甘さも欠点も濃く出ます。
全日本コーヒー協会の解説では、非水洗式は乾燥場に実を広げて2週間程度天日干しし、乾き方を揃えるため熊手のような道具で毎日攪拌し、夜は湿気を防ぐシートで覆うとされています。生豆の色は茶色っぽくなります。
当店でナチュラルを採用しているのは2銘柄です。ブラジル 山口農園はミナスジェライス州セラード地域・標高940m、品種はブルボン、LORINGで中煎り。5軸は甘み4・香り3・コク2・酸味2・苦味2、フレーバーはキャラメルとヘーゼルナッツ。セラード・ミネイロ地域はブラジルのコーヒー産地で初めて2005年に地理的表示(Indicação de Procedência)、2013年に原産地呼称(Denominação de Origem)を得た産地で、その定義も「キャラメルからナッツにわたる強い香り」です。
エチオピア アリーチャ ナチュラルはイルガチェフェ郡アリーチャ村・標高1,800〜2,000m、在来種をアフリカンベッドで自然乾燥させ、LORINGで中浅煎りに。5軸は酸味4・甘み4・香り4・コク2・苦味1、フレーバーはレッドワイン(メルロー)とストロベリー。同じナチュラルでも、産地と焙煎度が変われば酸味は2と4に分かれます。
ウォッシュド(水洗式)とは|クリーンカップはどこから来るのか

ウォッシュドとは、収穫から24時間以内に果肉を外し、粘液質を発酵槽などで分解してから洗い流し、その後で乾かす精製方法です。Cafe Importsによれば発酵槽での保持は12〜72時間、乾燥は機械18〜36時間、天日7〜15日が目安とされます。
味は「クリーンで輪郭のはっきりした風味、キャラメルや砂糖のような甘さ」と説明されています。果肉を早く外すぶん、豆そのものの素性が前に出ます。全日本コーヒー協会も水洗式を「透明感のあるフルーティな酸味、すっきりとした印象」とし、生豆は緑っぽくなると記しています。
「クリーンカップ」は感覚的な褒め言葉ではなく、評価項目の名前です。SCA(スペシャルティコーヒー協会)のカッピングプロトコルに沿った学術研究(Foods, 2023)でも、香り・風味・後味・酸・ボディ・バランス・均一性・クリーンカップ・甘さ・総合評価の10項目を採点すると記されています。詳しくはウォッシュドコーヒーの透明感はどこから来るのかで掘り下げています。
当店のグアテマラ エルインヘルトがウォッシュドです。ウエウエテナンゴ・標高1,500〜2,000m、品種はブルボン70%・カトゥアイ30%、LORINGで中煎り。5軸はコク3・甘み3・香り3・酸味2・苦味2、フレーバーはヘーゼルナッツ。産地団体Anacaféは3つの非火山性地域の中で最も高く乾いた栽培地とし、カップを「上質で強い酸味、しっかりしたボディ、ワインの風味」と記述します。
ハニープロセスとは|イエロー・レッド・ブラックの違い

ハニープロセスとは、収穫から24時間以内に外皮を外し、粘液質の全部または一部を豆につけたまま乾かす精製方法です。乾燥日数は平均18〜25日。名前の由来は粘液質のべたつきで、蜂蜜は使いません。Cafe Importsはブラジルのパルプドナチュラルに似た方法だと位置づけています。
| 呼び名 | 位置づけ | 味の傾向 |
|---|---|---|
| イエロー(ゴールデン) | 最も穏やか | ウォッシュドに近い |
| レッド | 中間 | 両者の中間 |
| ブラック | 最も濃い | パルプドナチュラルに近い |
この色分けは、残す粘液質の量を調整する生産者と、乾燥の進め方を調整する生産者の両方がいて、結果に応じて呼び分けられています。ナチュラルより乾燥が早く腐敗やカビのリスクを減らせる一方、生豆の外観は不揃いになりやすくなります。全日本コーヒー協会も、ハニーはウォッシュドより水の使用量を抑えた方式と紹介します。
当店のコスタリカ グラナディージャはイエローハニーです。タラス地域・標高1,850〜1,950m、品種はカトゥアイ、LORINGで中浅煎り。5軸は甘み3・香り3・酸味2・コク2・苦味1、フレーバーははちみつとナッツ。コスタリカコーヒー協会(ICAFE)はロス・サントス地域を標高1,200〜1,900m、年降水量2,400mm、年平均19℃とし、カップを「良いボディ、上品で刺さらない酸味」とします。
カップ・オブ・エクセレンス(COE)の公式ファームディレクトリには、この農園が2015年コスタリカで15位・87.14点に入賞した記録があります(出品ロットの精製はウォッシュド、面積1ヘクタール)。同じカルデロン一家が営むロスアンヘレス・マイクロミルからは、2011年に優勝コーヒー(ラ・エストレージャ、90.38点)が生まれました。
スマトラ式(ウェットハル/ギリンバサ)とは|半乾きで脱穀する方法

スマトラ式とは、果肉を外した豆を粘液質つきのまま集荷地点へ運び、水分35〜50%という半乾きの状態でパーチメントごと脱穀し、その後に生豆のまま乾かすインドネシア独自の精製方法です。通常のコーヒーが水分10〜12%で脱穀されるのに対し、この方式は圧倒的に早い段階で殻を外します。
Cafe Importsによれば、果肉除去は収穫後24〜48時間以内に行われ、粘液質がついたままタンクや麻袋で保管されてから集荷人やミルへ渡ります。乾燥期間は平均12〜15日。英国の生豆商社DR Wakefieldはさらに細かく、2〜3日乾かして水分40〜50%(ガバ)にし、湿ったまま脱穀(ラブ)、2日ほどで約15%(アサラン)、輸出前に12%まで落とすと記述します。
この方式が生まれた理由も、両社が挙げています。Cafe Importsは「スマトラの湿った気候と雲の多さが、他の乾燥方法を商業生産には難しくしている」ことを挙げ、DR Wakefieldは生産者が早く現金化できる利点を加えます。味の特徴は両社で共通し、アーシー(土や森を思わせる)、セイボリー、ハーブ、重いボディ、ダークチョコレート、低い酸味です。
当店のインドネシア マンデリン エスペシャルがこの方式です。スマトラ島北部のリントンニフタ・パランギナン地区の指定農家群から買い付け、標高1,300m、PROBATで深煎り。5軸はコク4・苦味3・香り3・甘み2・酸味1、フレーバーはチョコレート・スパイス・アーシー。インドネシアコーヒー輸出入産業協会(AEKI-AICE)も、ウェットハルが青緑色の生豆を生むこと、リントンの風味がチョコレート・キャラメル・スパイスで酸味が低いことを記載しています。
アナエロビック(嫌気性発酵)とは|「アナエロビックナチュラル」の意味

アナエロビックとは、酸素を遮断した密閉容器でコーヒーを発酵させる工程です。「アナエロビックナチュラル」とは、この嫌気性発酵のあとに果肉をつけたまま乾かすナチュラル精製で仕上げる二段構えの方法を指します。発酵と乾燥を別々に指定した名前だと理解すると読み解けます。
工程の実態は研究で確かめられています。ブラジル・パラナ連邦大学のグループがFoods誌(2023年収録)で報告した「自己誘導型嫌気性発酵(SIAF)」では、密閉タンクの蓋にエアロックを付けて二酸化炭素だけを逃がし、外気を遮った状態で24・48・72時間の発酵を行いました。48時間と72時間のほうが酢酸エチルや酢酸アミルといった香気成分を多く生み、飲料の官能プロファイルが多様化したという結果です。
当店のブラジル フルッタ アナエロビック ナチュラルは、商品データ上の精製表記が「Anaerobic嫌気性発酵後にNatural精製」です。セラード地域・標高1,080m、品種はブルボン、LORINGで浅煎り。5軸は酸味4・香り4・甘み3・コク1・苦味1、フレーバーはレッドワイン(ピノノワール)とラズベリー。焙煎士の櫻井健司は「熱いとき、冷めたとき、それぞれで違う表情」と表現します。なお発酵日数・温度・容器は当店では公開していません。
微生物が香りを作るしくみはコーヒーチェリーの天然酵母発酵とはで、カーボニックマセレーションをはじめとする派生手法の最前線は2026年のコーヒートレンドで扱っています。
精製×焙煎度×味の対応表|当店7銘柄で見る
精製方法だけでカップの味は決まりません。焙煎度が重なって初めて、飲んだときの印象になります。当店の7銘柄を精製・焙煎度で並べると、ナチュラルが中煎りと中浅煎り、ウォッシュドが中煎り、ハニーが中浅煎り、スマトラ式が深煎り、嫌気性発酵が浅煎りという設計が見えてきます。
| 銘柄 | 精製 | 焙煎度 | 主なフレーバー |
|---|---|---|---|
| ブラジル 山口農園 | ナチュラル | 中煎り | キャラメル・ナッツ |
| エチオピア アリーチャ | ナチュラル | 中浅煎り | レッドワイン・ベリー |
| グアテマラ エルインヘルト | ウォッシュド | 中煎り | ヘーゼルナッツ |
| コスタリカ グラナディージャ | イエローハニー | 中浅煎り | はちみつ・ナッツ |
| インドネシア マンデリン | スマトラ式 | 深煎り | チョコ・スパイス |
| ブラジル フルッタ | 嫌気性発酵+ナチュラル | 浅煎り | レッドワイン・ラズベリー |
| ノボルドエスペシャル | 複数の精製のブレンド | 表記なし | ダークチョコレート・キャラメル・ラズベリー |
味の5軸(各5段階)も並べます。数値は当店が商品ページで公開している指標の転記で、カッピング点数ではありません。
| 銘柄 | 酸味 | 甘み | コク | 香り |
|---|---|---|---|---|
| ブラジル 山口農園 | 2 | 4 | 2 | 3 |
| エチオピア アリーチャ | 4 | 4 | 2 | 4 |
| グアテマラ エルインヘルト | 2 | 3 | 3 | 3 |
| コスタリカ グラナディージャ | 2 | 3 | 2 | 3 |
| インドネシア マンデリン | 1 | 2 | 4 | 3 |
| ブラジル フルッタ | 4 | 3 | 1 | 4 |
| ノボルドエスペシャル | 2 | 3 | 4 | 3 |
苦味は表に入らないので補足すると、深煎りのマンデリンが3で最も高く、アリーチャ・グラナディージャ・フルッタが1、残る3銘柄が2です。なおノボルドエスペシャルは、PROBATで深煎りにしたブラジル・コロンビア・グアテマラに、LORINGで中浅煎りのアリーチャを少量重ねたアフターミックスで、単一の焙煎度を持ちません。
精製の表記の読み替え表|同じ工程が別の名前で書かれている
精製方法の名前は、書き手によって日本語・英語・現地語が混在します。「水洗式」と「ウォッシュド」、「非水洗式」と「ナチュラル」、「ギリンバサ」と「スマトラ式」は、いずれも同じ工程の別表記です。商品説明を読み比べるときは、次の対応を押さえておけば迷いません。
| よく見る表記 | 英語の表記 | ほかの呼び名 | ひとことの意味 |
|---|---|---|---|
| ウォッシュド | Washed | 水洗式・湿式 | 果肉を外し洗って乾かす |
| ナチュラル | Natural | 非水洗式・乾式 | 果実ごと乾かす |
| ハニー | Honey Process | パルプドナチュラル | 粘液質を残して乾かす |
| スマトラ式 | Wet-Hulled | セミウォッシュド | 半乾きで脱穀する |
| ギリンバサ | Giling Basah | スマトラ式 | インドネシア語の呼称 |
| アナエロビック | Anaerobic | 嫌気性発酵 | 密閉容器で発酵させる |
分類の粒度も資料で違います。全日本コーヒー協会は「水洗式」「非水洗式」「スマトラ式(セミウォッシュド)」の3方式で整理し、ハニープロセスをセミウォッシュドの改良型として紹介しています。「4つの精製方法」「7つの精製方法」と数え方の違う記事があるのは、この粒度の差です。
精製方法で選ぶ|味の好みからの逆引き
精製方法から豆を選ぶときは、工程ではなく「どんな味が好きか」から逆にたどると外しません。果実の甘みならナチュラル、輪郭の明快さならウォッシュド、その中間ならハニー、重いコクならスマトラ式、香りの複雑さなら嫌気性発酵。当店の銘柄に当てはめると次のとおりです。
| こんな味が好きなら | 選ぶ精製 | 当店の銘柄 |
|---|---|---|
| 果実の甘みと華やかさ | ナチュラル | エチオピア アリーチャ |
| ナッツと穏やかな甘み | ナチュラル | ブラジル 山口農園 |
| 透明感と輪郭のある味 | ウォッシュド | グアテマラ エルインヘルト |
| やさしい甘みと清潔感 | イエローハニー | コスタリカ グラナディージャ |
| 重いコクと低い酸味 | スマトラ式 | インドネシア マンデリン |
| 発酵由来の複雑な香り | 嫌気性発酵 | ブラジル フルッタ |
酸味が得意でない方は、スマトラ式の深煎りか、酸味2の山口農園から入ると無理がありません(酸味が少ないコーヒー豆おすすめ)。香りの高さを優先するなら香り4のアリーチャとフルッタが候補です(香りの良いコーヒー豆の選び方)。
いま飲んでいるコーヒーの精製方法を確かめる方法
精製方法は、商品ページや袋の表示で確認するのが最も確実です。スペシャルティコーヒーでは産地・品種・標高とともに精製が明記されているのが一般的で、当店も7銘柄すべての商品ページに記載しています。表記がない場合は、銘柄名そのものに手がかりが入っていることがあります。
- 商品名に含まれる例:「アナエロビック ナチュラル」「イエローハニー」
- 生豆の色:水洗式は緑っぽく、非水洗式は茶色っぽく、スマトラ式はオリーブのような緑で形が不揃い(全日本コーヒー協会)
産地からの推定は目安にすぎません。同じ農園でも年によってロットの精製は変わります。当店がイエローハニーで扱うグラナディージャの2015年COE入賞ロットがウォッシュドだったのが、その例です。
よくある質問
精製方法についてよく調べられている8問に答えます。ウォッシュドとナチュラルの味の違い、アナエロビックナチュラルの定義、クリーンカップの意味、ハニーの色分け、ウェットハルとスマトラ式の関係、飲み比べの順番まで。回答は一次資料と当店の商品データに基づいています。

ウォッシュドとナチュラルの味の違いをひとことで言うと?
ウォッシュドは輪郭がはっきりしたクリーンな味、ナチュラルは果実感と甘みが厚い味です。Cafe Importsはウォッシュドを「クリーンで明瞭な風味、キャラメルや砂糖のような甘さ」、ナチュラルを「酒やワインにたとえられる風味、重めのボディ」としています。
アナエロビックナチュラルとは何ですか?
アナエロビックナチュラルとは、酸素を遮断した密閉容器での嫌気性発酵を行ったあと、果肉をつけたまま乾かすナチュラル精製で仕上げる二段構えの精製方法です。当店では「ブラジル フルッタ アナエロビック ナチュラル」がこれにあたります。
クリーンカップとはどういう意味ですか?
クリーンカップとは、濁りや欠点由来の風味がなく、その豆本来の輪郭がまっすぐ出ている状態を指す評価軸です。SCAのカッピングプロトコルでは、香り・風味・後味・酸・ボディなど10項目の1つとして採点されます。
ハニープロセスのイエロー・レッド・ブラックは何が違いますか?
豆に残す粘液質の量と乾燥の進め方が違い、イエロー(ゴールデン)が最も穏やかでウォッシュドに近く、ブラックが最も濃くブラジルのパルプドナチュラルに近い、レッドはその中間です。当店のグラナディージャは最も穏やかなイエローハニーです。
ウェットハルとスマトラ式は同じものですか?
同じ工程の別の呼び名です。英語ではWet-Hulled、インドネシア語ではギリンバサ(Giling Basah)、日本ではスマトラ式やセミウォッシュドと呼ばれ、Cafe Importsはこの4つを併記しています。水分35〜50%の半乾き状態でパーチメントを外す点が共通です。
精製方法で味はどのくらい変わりますか?
同じ産地・同じ品種でも数値に差が出ます。当店のブラジル 山口農園とブラジル フルッタはどちらもセラード地域のブルボン種ですが、ナチュラルの山口農園が酸味2・コク2、嫌気性発酵を挟んだフルッタが酸味4・コク1です(商品ページ公開値の比較で、当店の実験ではありません)。
精製方法に優劣はありますか?
優劣ではなく方向の違いです。スマトラ式は湿潤な気候で乾燥が難しい事情から生まれ、ハニーはナチュラルの腐敗リスクを下げつつ甘みを残すために広がりました。産地の環境と目指す味に合わせた方法です。
初めて飲み比べるなら、どの順番がおすすめですか?
穏やかなものから濃いものへ進むと差がわかりやすくなります。ウォッシュドのエルインヘルト、イエローハニーのグラナディージャ、ナチュラルの山口農園、嫌気性発酵のフルッタという順序です。同じ器具・同じ湯温で淹れると、精製の差だけが際立ちます。
まとめ|精製を知ると、豆選びの精度が上がる
精製方法とは、果肉をいつ外し、どう乾かすかの設計です。ナチュラルは果実感、ウォッシュドはクリーンな輪郭、ハニーはその中間、スマトラ式は重いコクと低い酸、嫌気性発酵は発酵由来の複雑さ。この5つの方向を覚えておけば、初めて見る銘柄でも味の見当がつきます。
1932年創業のNOVOLD COFFEE ROASTERSは、94年(2026年9月時点)焙煎を続けてきた作り手として、精製の異なる7銘柄を扱っています。まずは対照的な2本から。ウォッシュドの輪郭を知るならグアテマラ エルインヘルトです。
ハニープロセスのやさしい甘みを確かめたい方には、イエローハニーのコスタリカ グラナディージャを。中浅煎りで、はちみつとナッツの余韻が長く残ります。
同じ湯温・同じ器具で淹れ比べると、精製方法の違いが最短で体感できます。慣れてきたら、ナチュラルのエチオピア アリーチャ、スマトラ式のインドネシア マンデリン エスペシャルへ広げてみてください。




