マキネッタの使い方|挽き目・水の量・火加減の正解と失敗の直し方

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マキネッタの使い方|挽き目・水の量・火加減の正解と失敗の直し方

マキネッタの使い方は、4つの点を守るだけで決まります。水は安全弁の下まで、粉は細挽きを押し固めずに、火は弱火で、コポコポと音が変わったら火を止める。この4点です。イタリアの家庭で使われてきた直火式の器具「マキネッタ」について、ビアレッティの取扱説明書に沿った手順、挽き目と分量、失敗の直し方、手入れ、サイズとIHの選び方、豆の選び分けまでをNOVOLD COFFEE ROASTERS(ノボルドコーヒーロースターズ)が出典つきで整理します。

結論|マキネッタの使い方は「水・粉・火・止め時」の4点で決まります

マキネッタの使い方で押さえるべきは4点です。水はボイラーの安全弁の下端まで入れる。粉は細挽きをバスケットに入れて押し固めない。火はガスなら弱火にして炎を本体からはみ出させない。コーヒーが上がりきってコポコポと音が変わったら火を止める。この4つはすべてビアレッティの取扱説明書に書かれている内容です。

コンロにかけられたアルミ製のマキネッタ

工程 やること つまずきの原因
1. 水を入れる 安全弁の下端まで冷水 入れすぎると水っぽい
2. 粉を入れる 細挽きを平らにならす 押し固めると詰まる
3. 締める 上部を手で締める 取っ手をてこにして回す
4. 火にかける ガスは弱火 強火で焦げ味が出る
5. 止める 音が変わったら火を止める 放置して煮詰まる
6. 注ぐ かき混ぜてから注ぐ 濃さが上下で不均一

この6工程のうち、味を大きく動かすのは2番と4番です。粉の細かさと火加減さえ外さなければ、あとは器具の構造が仕事をしてくれます。うまくいかないときの原因も、ほぼこの2つに集約されます。

マキネッタとは|3つのパーツと、蒸気圧でお湯を押し上げる仕組み

マキネッタとは、下部で沸かした水の蒸気圧を使ってお湯を粉の層に押し上げ、上部に濃いコーヒーをためる直火式の抽出器具です。イタリア語で「小さな機械」を意味し、ビアレッティ社の「モカエキスプレス」が1933年にアルフォンソ・ビアレッティの発明として生まれて以来、この方式で淹れた一杯は「モカ」と呼ばれてきました。

パーツ 役割 注意する点
ボイラー(下部) 水を入れて加熱する 側面に安全弁がある
バスケット(中段) コーヒー粉を入れる 叩いて粉を落とさない
サーバー(上部) 抽出液をためる パッキンとフィルター板

火にかけると、ボイラーの水が沸騰点に達します。そこで発生した蒸気がボイラー内の圧力を高め、水をろうと型のバスケットの粉へと押し上げる。この一連の流れがマキネッタの抽出です。ビアレッティはこの原理を公式サイトでそのように説明しています。

本体はアルミニウム合金、パッキンはシリコンゴム(耐熱220℃)、ハンドルとツマミはナイロン(耐熱120℃)です。八角形のボイラーと点検できる安全弁が、90年以上ほとんど変わらないまま受け継がれています。

エスプレッソマシンとの違い|約9気圧と約2気圧、そしてクレマ

マキネッタとエスプレッソマシンの最大の違いは圧力です。エスプレッソは極細挽きの粉に約9気圧をかけ、一杯25〜35mLを20〜30秒で抽出します(全日本コーヒー協会)。マキネッタは蒸気圧だけで押し上げるため、当店の淹れ方比較記事で示しているとおりおおむね2気圧前後にとどまります。同じ「濃いコーヒー」でも、成立している物理が違います。

項目 エスプレッソマシン マキネッタ
圧力 約9気圧 おおむね2気圧前後
挽き目 極細挽き 細挽き
粉の詰め方 タンピングで押し固める 押し固めない
抽出時間 20〜30秒 音で判断する
熱源 電気(本体内蔵) コンロの直火など

クレマの扱いにも差が出ます。ビアレッティ自身、バーのエスプレッソに近い「持続するクレマ」を求める人向けには、シリコン膜の技術を組み込んだ別モデル「ブリッカ」を用意しています。標準のモカエキスプレスは、クレマを作る専用機構を持たない器具だということです。エスプレッソそのものとして扱わず、「モカ」という別ジャンルとして楽しむほうが期待値も合います。

家庭でエスプレッソそのものを淹れたい場合は、器具の系統から選び直す必要があります。タイプ別の違いは家庭用エスプレッソマシンの選び方にまとめています。

マキネッタの使い方|8つの手順と、その一つひとつの理由

マキネッタの使い方は8手順です。ボイラーに冷水を安全弁の下端まで入れ、バスケットを差し込み、細挽きの粉を押し固めずに入れ、縁の粉を払い、上部をねじ込み、弱火にかけ、コーヒーが上がりきったら火から外し、かき混ぜてから注ぐ。以下はビアレッティの取扱説明書と公式サイトの手順に沿った内容です。

  1. ボイラーに冷水を入れます。水位は安全弁の下端まで。安全弁は圧力を逃がす部品であり、同時に水量の目印でもあります。超えて注ぐと水っぽい仕上がりになる、とビアレッティは明記しています。
  2. バスケットをボイラーに差し込みます。ろうと型の脚がボイラーの底へ届いているか確かめてください。浮いていると、お湯の通り道ができません。
  3. 細挽きの粉をバスケットに入れます。たっぷり入れて表面を平らにならし、絶対に押し固めないこと。押し固めると湯が抜けず、ボイラー内の圧力が急上昇します。
  4. 縁に付いた粉を払います。ボイラーの縁に粉が残ると密閉が甘くなり、そこから湯が漏れます。指や乾いた布で軽く払えば十分です。
  5. 上部をねじ込んで締めます。力を入れすぎず、しっかり締める。取扱説明書は、ハンドルをてこにして開け閉めしないよう求めています。
  6. 熱源にかけます。ガスなら弱火で、炎が本体の縁からはみ出さない範囲に。電気コンロやガラスセラミックのコンロでは最大火力を使わず中程度に。抽出中はふたを閉じ、そばを離れないでください。
  7. 上部にコーヒーが上がりきったら火から外します。ビアレッティは「ゴボゴボという音がしたら出来上がりの合図。コンロから下ろす」と案内しています。ここで粘ると、残った湯が煮詰まって焦げた味に振れます。
  8. かき混ぜてからカップに注ぎます。先に上がった液と後から上がった液では濃さが違うため、スプーンでひと混ぜしてから注ぐ。取扱説明書にも同じ指示があります。

抽出後にボイラーへ少量の水が残るのは正常だとビアレッティも説明しています。また、使い終わった本体は非常に熱くなっているため、冷めるまで開けないでください。

挽き目の正解|基準は「細挽き」、エスプレッソ用の極細挽きは使わない

マキネッタの挽き目は「細挽き」が基準です。中細挽きでも淹れられますが、湯の抜けが速くなるぶん軽め・薄めに出ます。逆に、エスプレッソマシン用の極細挽き(パウダー状)は使いません。ビアレッティの取扱説明書が「モカ用に挽いたコーヒーを使用し、極細挽きのコーヒーは使用しないでください」と名指しで禁じています。

挽き目 マキネッタでの扱い 出やすい味
中挽き 粗すぎる 薄く水っぽい
中細挽き 淹れられる 軽め・薄めに寄る
細挽き 基準はここ コクと甘みが出る
極細挽き 使わない 目詰まりと過圧

極細挽きがなぜ危険なのか。ビアレッティは安全弁の解説記事で、ボイラー内の圧力が急上昇する原因として「コーヒーが細かく挽かれすぎている」「フィルター内でコーヒーを押し固めすぎている」「熱源の温度が高すぎる」の3つを挙げています。粉が細かすぎると湯がフィルターを通れず、行き場を失った蒸気が圧力を押し上げる。そこで安全弁が開いて蒸気を逃がすため、コーヒーは薄くなり、噴き出しの危険も生まれます。

当店の豆をご注文いただく際は、挽き方を「豆のまま/粗挽き/中挽き/中細挽き/細挽き」の5つから選べます。マキネッタで使うなら「細挽き」を選んでください。当店のコーヒーの挽き方ガイドではマキネッタを「細〜中細挽き」と幅で表記していますが、基準は細挽き、軽く飲みたい日の逃げ場が中細挽き、という関係です。

粉の量と水の量|すり切りで押し固めない、水は安全弁の下まで

マキネッタの粉の量は「バスケットにたっぷり入れて、すり切りで平らにならす」が原則です。グラム数ではなくバスケットの容積が分量を決めます。水はボイラーの安全弁の下端まで。ビアレッティは安全弁が「計量器」の役割も兼ねており、理想は弁のすぐ下だと説明しています。この2つを守れば、粉と湯の比率は器具側が自動的に決めてくれます。

サイズ選びで最も誤解されやすいのが「カップ」の意味です。ビアレッティは公式に、モカのカップはエスプレッソ1杯分(約2オンス)を指すのであってマグカップのサイズではない、と注意しています。公式のサイズガイドは次のとおりです。

サイズ 公式の出来上がり量 mL換算の目安
1カップ 2オンス 約60mL
3カップ 4.4オンス 約130mL
6カップ 9.1オンス 約270mL
9カップ 14.2オンス 約420mL
12カップ 22オンス 約650mL

mL換算は1液量オンス=約29.6mLで計算した参考値です。ビアレッティは容量を「目安の値であり、入れた水の量、コーヒーの量、ブレンド、挽き方によって変わる」と注記しています。18カップのモデルは公式の目安が27.3オンス(約810mL)です。

水をバスケットの高さまで注いで粉と接触させると、湯の正常な上昇が妨げられて仕上がりが損なわれる、ともビアレッティは述べています。たくさん飲みたい日は、水を増やすのではなく大きいサイズを使ってください。

火加減と止め時|弱火のまま、音が変わったら火を止めます

マキネッタの火加減はガスなら弱火が基本で、炎が本体の縁からはみ出さない範囲に収めます。電気コンロやガラスセラミックのコンロでは最大火力を使わず中程度に。止め時は時間ではなく音と目で判断し、コーヒーが上部に上がりきってコポコポと音が変わったら火から下ろします。ビアレッティは「火は最小に調整して、時間をかけて待つ」と案内しています。

強火が良くない理由は2つあります。ひとつは味で、急激に温度が上がると焦げた苦さが出ます。もうひとつは安全で、熱源の温度が高すぎることはボイラー内の圧力を急上昇させる3つの原因のひとつだとビアレッティ自身が挙げています。取っ手やツマミはナイロン製で耐熱120℃ですから、炎が本体からはみ出す火加減は部品そのものを傷めます。

止め時を過ぎてもかけ続けると、ボイラーに残ったわずかな湯が高温の蒸気となって粉の層を通り、雑味とエグみを連れてきます。音が変わったら火を止める。あとは余熱で上がりきります。下ろしたらスプーンでひと混ぜしてカップへ。ビアレッティは「注いだばかりのコーヒーを飲むのが、香りを最もよく味わう方法」としています。

焙煎度で変わる味|王道は深煎り、浅煎りは冒険枠

マキネッタの王道は深煎りです。短時間・加圧という条件が、深煎りのコクと甘みを濃い液体としてまとめてくれます。一方で「マキネッタ 浅煎り」という組み合わせも成立します。浅煎りの豆は酸味と香りが前に出るため、深煎りのような重心ではなく、果実感の強い軽やかな一杯になる傾向があります。どちらが正解ということはありません。

焙煎されたコーヒー豆

焙煎度 マキネッタでの出方 向く飲み方
深煎り コクと苦味が前に出る ブラック、ミルク割り
中煎り 甘みと酸味の中間 そのまま少量で
浅煎り 酸味と香りが立つ 砂糖なしで少量、氷で

当店の焙煎度は浅煎り・中浅煎り・中煎り・中深煎り・深煎りの5段階です。深煎りの代表はインドネシア マンデリン エスペシャル。商品データの5軸ではボディ4・苦味3・酸味1で、重心が低く苦味が突き抜けない設計になっています。浅煎りの代表はブラジル フルッタ アナエロビック ナチュラルで、酸味4・香り4・苦味1・ボディ1。濃く抽出しても重くならず、酸味と香りで押してくるタイプです。

深煎りそのものの選び方と飲み方は深煎りコーヒーのおすすめ銘柄で詳しく扱っています。

うまくいかないときの直し方|苦い・薄い・出てこない

マキネッタの失敗は、症状ごとに原因がほぼ決まっています。苦い・焦げ臭いなら火が強すぎるか止めるのが遅い。薄いなら粉が粗いか水が多い。出てこないなら締めが甘いか粉が細かすぎる。安全弁から漏れるなら挽き目・詰め方・水量のいずれか。以下の表はビアレッティの取扱説明書に載っているトラブルシューティングに沿っています。

症状 考えられる原因 対処
苦い・焦げ臭い 火が強い、止めるのが遅い 弱火にし、音で止める
薄い 粉が粗い、水が多い 細挽きにし、弁の下まで
出てこない 締めが甘い、粉が細かい 締め直し、挽き目を戻す
安全弁から漏れる 押し固め、水の入れすぎ 粉をならし、水量を戻す
本体から水が漏れる パッキン摩耗、縁の粉 縁を払い、パッキン交換
ぬるい・熱すぎる 水量が適正でない 安全弁の下端に合わせる

直すときのコツは、一度に一つだけ動かすことです。挽き目を細くしながら火を弱め、ついでに水も減らす。これではどれが効いたのか分かりません。挽き目を変えた日は火加減と水量を前回のまま固定してください。抽出の失敗を切り分ける考え方は過抽出と未抽出の見分け方で整理しています。

なお、漏れが解消しない場合は製品の不具合の可能性があります。ビアレッティは「使用をやめて販売店に問い合わせてください」としています。無理に使い続けないでください。

手入れと長持ちのコツ|洗剤を使わず、パッキンは年1回

マキネッタの手入れは、使うたびにぬるま湯で手洗いするのが基本です。洗剤も研磨剤も使わず、食洗機にも入れません。完全に乾かしてから、本体を閉めずに分けて保管します。消耗品はパッキンで、摩耗したら交換、そうでなくても最低年1回の交換がビアレッティの推奨です。この4点で、器具は何年も持ちます。

ふたを開けたアルミ製のマキネッタの内部。バスケットにコーヒー粉が入っている

頻度 やること
毎回 冷めてからぬるま湯で手洗いする
毎回 完全に乾かし、閉めずに保管する
洗うたび 安全弁のピストンを動かす
ときどき フィルター板の穴を点検する
年1回以上 パッキンを純正品に交換する

洗剤を使わないのは、時間が経っても器具の性質を変えないためだとビアレッティは説明しています。食洗機も「製品を傷め、コーヒーの味を損なう恐れがある」として公式に不可です。

水道水を使うと安全弁の穴に石灰分がたまり、詰まることがあります。予防は、洗うときに弁から出ている小さなピストンを軸方向に動かすだけ。石灰の除去手順も公式に示されており、ボイラーに所定のレベルまで水を入れ、クエン酸または酢を小さじ2杯加え、粉を入れずに1回抽出し、その液を捨てて流水で洗う、という流れです。

やってはいけないこともあります。使用後にバスケットを叩いて粉を落とさないでください。変形して密閉できなくなります。また、買ったばかりのときは水だけでよく洗い、コーヒーを入れずに水だけで1回動かしたうえで、最初の3回分の抽出液は飲まずに捨てる。これもビアレッティが公式に案内している慣らしの手順です。

マキネッタの選び方|サイズ・素材・IH対応

マキネッタ選びは、サイズ・素材・熱源の3点で決まります。サイズはカップ数で表記され、モカエキスプレスには1・2・3・4・6・9・12・18カップの展開があります。素材はアルミニウムが定番で、ステンレスのモデルも別に用意されています。そしてIHクッキングヒーターで使えるかどうかは、モデルによってはっきり分かれます。

選ぶ軸 選択肢 判断の目安
サイズ 1〜18カップ 1カップ=エスプレッソ1杯分
素材 アルミ/ステンレス アルミが定番で軽い
熱源 ガス・電気・IH IHは対応可否を要確認
消耗品 パッキン 純正品が入手できるか

IHについては、ビアレッティの公式表記がはっきりしています。アルミ製のモカエキスプレスは「ガスと電気コンロに対応。IHについては、ビアレッティ製のインダクションプレートを使用する場合に限り使用可」。つまり、そのままIHに載せても反応しません。個別のサイズページでも「IH不可」と明記されています。

IHで直接使いたい場合は、ボイラー外側がスチール製の「モカ インダクション」のようなIH対応モデルを選びます。その取扱説明書には、ボイラー底の直径とコンロの仕様が合うか確認すること、ブースト機能を使わないこと、最大火力ではなく中程度を保つこと、という3つの注意が書かれています。「IHで反応しない」ときの原因も、公式FAQでは底の直径とコンロの適合の問題とされています。

アレンジ|カフェラテ・カプチーノ・アイス

マキネッタで淹れた液は濃度が高いので、ミルクや氷で割っても輪郭が残ります。カフェラテなら1に対してミルク3〜4、カプチーノなら泡立てたミルクを同量前後、アイスなら氷を入れたグラスに直接注ぐ。以下は一般的なレシピの目安であり、当店で計測した数値ではありません。好みに合わせて動かしてください。

アレンジ 分量の目安 ポイント
カフェラテ コーヒー1:ミルク3〜4 深煎りだと風味が負けない
カプチーノ コーヒー1:泡ミルク1前後 泡は注ぐ直前に立てる
アイス 氷を満たしたグラスへ 薄まる前提で濃いめに

アイスにするときは、抽出した液を氷に直接あてて一気に冷やすと香りが逃げにくくなります。氷が溶けるぶん薄まる前提で、粉は多めに。ミルクと合わせるなら、豆の側で重心の低いものを選ぶのが近道です。ボディの強い深煎りなら、ミルクの脂肪分に押し負けません。

当店の豆でマキネッタを淹れるなら|3銘柄の選び分け

マキネッタに向く当店の豆は3つです。重心の低さで選ぶならインドネシア マンデリン エスペシャル、コクの中に華やかさを求めるならノボルドエスペシャル、酸味と香りで攻めるならブラジル フルッタ アナエロビック ナチュラル。いずれも注文時に挽き方を選べますので、マキネッタで使うなら「細挽き」を指定してください。

銘柄 焙煎度 ボディ 苦味 酸味
マンデリン 深煎り 4 3 1
ノボルドエスペシャル 表記なし 4 2 2
ブラジル フルッタ 浅煎り 1 1 4

数値は当店の商品データにある5軸(5段階)です。マンデリン エスペシャルはスマトラ島北部・標高1,300mの豆を1971年製のProbat UG22nで深く焼いたもので、焙煎士の櫻井健司は「火を入れるほどコクが増しますが、苦味が出すぎないよう、煎り止めの見極めには毎回かなり神経を使っています。ミルクと合わせても力強さがあり、カフェオレがお好きな方にもぜひ試していただきたい一杯です」と書いています。

ノボルドエスペシャルは、Probat UG22nで深く焼いたブラジル・コロンビア・グアテマラに、2017年導入のLoring S35 Kestrelで中浅煎りにしたエチオピア アリーチャを少量重ねたブレンドです。焙煎度の違う豆を別々に焼いて合わせているため、単一の焙煎度は持ちません。ボディ4・苦味2・酸味2で、濃く抽出しても重心が崩れず、ダークチョコレートやキャラメルの印象にラズベリーのような香りが差し込みます。設計の背景はなぜ深煎りと浅煎りを混ぜるのかで詳しく書いています。

ブラジル フルッタ アナエロビック ナチュラルは、嫌気性発酵の後にナチュラル精製した実験的なロットを、Loring S35 Kestrelで最も浅く焼いた豆です。酸味4・香り4に対してボディ1・苦味1という尖った配分で、深煎りに飽きた日の冒険枠に向きます。

NOVOLD COFFEE ROASTERSは1932年創業の徳島ブラジルコーヒ店が手がける店で、今年で94年(2026年9月時点)です。1971年製のProbat UG22nは鋳鉄ドラムの半熱風式、2017年導入のLoring S35 Kestrelは熱風を循環させる対流式。この2台を豆ごとに焚き分けています。

よくある質問

マキネッタについて寄せられることの多い質問を12問にまとめました。回答はビアレッティの取扱説明書と公式サイトの記載、および当店の商品データにもとづいています。挽き目、水の量、IH対応、サイズ選び、手入れなど、実際に使い始めてから迷いやすい点を中心に選びました。頭から読まなくても、気になる項目だけ拾っていただいて構いません。

Q. マキネッタで淹れたコーヒーはエスプレッソですか

エスプレッソとは別物です。エスプレッソは約9気圧をかけて抽出する方式(全日本コーヒー協会)ですが、マキネッタは蒸気圧だけで押し上げるため圧力の桁が違います。イタリアではこの一杯を「モカ」と呼び、エスプレッソとは区別して扱います。

Q. 挽き目は細挽きと中細挽きのどちらを選べばいいですか

基準は細挽きです。中細挽きでも淹れられますが、湯の抜けが速くなるぶん軽め・薄めに仕上がります。濃さとコクを求めるなら細挽き、その日だけ軽く飲みたいなら中細挽き、という使い分けが分かりやすいと思います。

Q. エスプレッソマシン用の粉を使ってもいいですか

使わないでください。ビアレッティの取扱説明書は、エスプレッソマシン用の極細コーヒーを使用しないよう明記しています。粉が細かすぎると湯が通らず、ボイラー内の圧力が急上昇して安全弁から蒸気が漏れます。

Q. 粉は押し固めたほうが濃くなりますか

濃くなりません。むしろ逆効果です。ビアレッティはバスケットにコーヒーを押さえつけないよう指示しており、押し固めは圧力の急上昇と安全弁からの漏れの原因として公式に挙げられています。たっぷり入れて平らにならすまでが正解です。

Q. マキネッタはIHで使えますか

モデルによります。アルミ製のモカエキスプレスは、ビアレッティ製のインダクションプレートを使う場合に限りIHで使用可で、そのまま載せても反応しません。IHで直接使いたい場合は、ボイラー外側がスチール製のIH対応モデルを選んでください。

Q. 何カップ用を買えばいいですか

カップ数はエスプレッソ1杯分(約2オンス)の数であって、マグカップの数ではありません。ビアレッティの公式ガイドでは3カップで4.4オンス(約130mL)、6カップで9.1オンス(約270mL)です。1人でマグ1杯なら6カップ前後が扱いやすいサイズになります。

Q. 水はお湯を入れてもいいですか

取扱説明書は「冷水」を入れると指示しています。公式サイトの手順では「常温の水」という表記もありますが、いずれにせよ沸かした湯を入れる指示はありません。水位は安全弁の下端までを守ってください。

Q. 抽出後にボイラーへ水が残るのは失敗ですか

失敗ではありません。ビアレッティは、コーヒーを淹れたあとボイラー内に少量の水が残るのは正常だと説明しています。逆に、水がバスケットの高さまで届いて粉と混ざると湯の上昇が妨げられるため、入れすぎのほうが問題です。

Q. 洗剤で洗ってはいけないのはなぜですか

ビアレッティは、時間が経っても製品の性質が変わらないように、洗剤や研磨スポンジを使わず必ず手洗いするよう案内しています。食洗機も公式に不可です。使用後はぬるま湯ですすぎ、各パーツを完全に乾かしてから、閉めずに保管してください。

Q. パッキンはいつ交換しますか

摩耗したらすぐ、そうでなくても最低年1回が公式の推奨です。パッキンはシリコンゴム製(耐熱220℃)で、劣化すると本体から水が漏れます。交換部品は、お使いのモデルに適合する純正品を選んでください。

Q. 浅煎りの豆でもマキネッタで淹れられますか

淹れられます。浅煎りは酸味と香りが前に出るため、深煎りのような重い一杯ではなく、果実感の強い軽やかな仕上がりになる傾向があります。当店ならブラジル フルッタ アナエロビック ナチュラル(酸味4・香り4・ボディ1)が分かりやすい選択です。

Q. 買ったばかりのマキネッタですぐ淹れていいですか

慣らしをおすすめします。ビアレッティは、初回は水だけでよく洗い、コーヒーを入れずに水だけで1回動かし、そのあと3回分の抽出液は飲まずに捨てるよう案内しています。香りを最大限に引き出すための手順です。

まとめ|マキネッタは4点を守れば失敗しません

マキネッタの使い方は、水は安全弁の下まで、粉は細挽きを押し固めない、火は弱火、音が変わったら止める。この4点に尽きます。挽き目の基準は細挽きで、中細挽きは軽く飲みたい日の選択肢、極細挽きは使わない。手入れは洗剤を使わずぬるま湯で、パッキンは年1回。ここまで押さえたら、あとは豆で遊ぶ番です。

カップに注がれた濃いコーヒー

他の抽出方法と比べてマキネッタがどの位置にあるかは、コーヒーの淹れ方8種類の比較表で確認できます。挽き目・湯温・比率を同じ物差しで並べています。

まずは王道から。ミルクに負けない深煎りの一杯です。

インドネシア マンデリン エスペシャル インドネシア マンデリン エスペシャル ¥2,600〜 商品を見る →

二台の焙煎機で仕上げたブレンドなら、濃く抽出してもコクの中に華やかさが残ります。

ノボルドエスペシャル ノボルドエスペシャル ¥2,420〜 商品を見る →

どちらも注文時に挽き方をお選びいただけます。マキネッタでお使いなら「細挽き」をご指定ください。

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